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2013'01.22 (Tue)

「笑顔の材料」

今日はリサイクルでUPの英香です。
「堂上篤生誕祭」では贅沢にも、各サイトマスターさんの作品が集まりました。なんて素敵な企画でしょう。クラクラです。その中にこそっと紛れて出させて頂いたお話です。
生誕祭なのに 誕生日の欠片もありません(;^_^A。ま、誕生日兼ねた話が「クリスマスの約束」で既に予定をしてたので、別なのを書けなかったってのが1つと――やっぱり盗難されたてだったのが大きいかな。
ペットの力は有難かったです。我が家には雄のゴールデンレトリバーがいます。子供同様 躾がなってないんで賢くはないのですが、寄り添ってくるのが上手。体重37㎏↑はくっつくと安心感があります。重いけど。子供が学校行ってる間はこの子で充電してました。
ってのがあって 犬の話になったんです。いやあ、妄想があるから落ち込んでても救われます。現実逃避とも言えますが、萌えはパワーを生んでくれますね。
……その後も失敗続きの母ちゃんですが、根本的にうっかり成分を何とかしないと我が家に平和が訪れない。またやってしまったよ。情けなくてわざわざ書けない。

ま、いいか。取り敢えず。上官・部下でドッグ・ラン後です。何か加筆しようかとも思いましたが、そのままです

↓こちらから どうぞ


【More】

「笑顔の材料」


武蔵野第一図書館の中庭に子犬が迷い込んで来たのは もう昼休憩になろうかという時間。
その日の館内警備は斎藤班で、子供が見付けたという子犬を預かる為に 中庭のベンチ付近に集まっていた。
「どうすっかなぁ~。」
班長の斎藤はバリバリと頭を掻いた。
「班長は犬、苦手だもんな。ちっちゃくてもダメですかあ。」
バディである巨漢の土井二正が抱き上げると、小さな子犬が更に小さく見える。
「どうしたんですかーって…、可愛い~!。」
そこにひょっこり顔を出したのは郁である。訓練を終えたところらしく、戦闘服は埃にまみれている。土井の腕から子犬を受け取ると 軽く頬擦りする。
「ん~ ふわふわ。で、どこから迷い込んだんですかねぇ。」
キョロキョロ見渡すが 飼い主らしき姿はない。
斎藤はポンと手を叩いた。
「よし、笠原。子犬はお前んとこに預けよう。」
「へ?。」
「ほら、堂上なんか 犬の扱いは慣れてることだし。業務部には俺から連絡しておくからさ。」
土井が「班長、犬苦手なんだよ。」と 郁に耳打ちする。
「この前のジェイクの件もそうだが、堂上は犬に縁があるよな。」
「そうそう、入隊して直ぐとか。」
ジェイクの名が出て 堂上に撫で回された感触を思い出した郁が、頬を微かに染めて聞いた。
「教官の入隊時に何かあったんですか?。」
斎藤がハハッと笑いながら顎を擦る。
「あれでいて 堂上はとにかく血の気が多かったからな。」
「教官がですか?。」
堂上は何時でも冷静に物事を対処してたんじゃないの?。
「若い頃は誰しも色々あるさ。まぁ、笠原には言わんだけでな。」
にやにやと斎藤は笑う。
土井が右腕を差して話しだす。
「堂上のここんとこに擦過痕あるの知らないか?。あれは最初の抗争の時、こいつみたいな犬が迷い込んでて 助ける為に良化隊の目の前に飛び出て撃たれた跡だ。擦っただけだがな。」
「え?丸腰でですか?。」
そうそう、必死で小牧が援護してたなーと斎藤も相槌を打つ。
「子供が捨て犬拾って来た時も 文句言いながら結局面倒見てたのも堂上だよな。」
「引き取り手を必死で探しといて、いざ手放す時は寂しそうだったし。仏頂面だけどバレバレさ。」
ワハハと笑いながら、斎藤班の面々は 堂上の逸話を楽しんで郁に聞かせた。
教官はみんなに愛されてるなあ、と 郁は嬉しくなってふふっと笑う。
斎藤や土井は思う。昔から堂上の眉間の皺はトレードマークだが、犬や子供の前では案外優しい顔をする。
そして皆気付いてもいた。茨城での見計らいに対する査問の後、中庭のこのベンチで1人座って 時々犬に見せていた優しい顔で物思いに耽る事があったのを。
あれ以来封印した堂上の笑顔も、最近では溢れているのを本人は気付いていないらしい。箝口令なんて余計なもん敷きまくって 仏頂面を決め込んでいるつもりだろうが、目の前のこの大型犬にはかなわないようだ。
「斎藤一正!。」
着替えた堂上が 図書館から出て来て声を掛けてきた。
「なんだ笠原、まだ着替えてないのか。」
言いながらベンチの前に来て 斎藤に報告する。
「業務部から連絡がありました。子犬の飼い主から問い合わせがあったそうです。近所を散歩中に首輪が抜けて庭に入ったようですね。ああ、こいつだな。」
郁の腕の中の子犬に手を伸ばす。くしゃくしゃっと撫でて 首輪とは別に付けてあったチェーンの迷子札で確認する。
斎藤が犬を苦手としているのを知っている堂上は、ひょいと子犬を抱き上げ「引き渡して来ます。」と踵を返した。
「おまえはサッサと着替えて来いよ。」
郁は、指示して歩きだした堂上の右腕を掴んだ。
「教官! 見せてくださいよ。」
急に腕を捲られて固まる堂上を尻目に 郁はまじまじと傷痕を探す。
「あ、コレですね!。聞きましたよ。犬を助けたんですよね?。」
「言わん!。」
堂上は腕を回して郁をはらう。
「えー、聞きたいー。いい話じゃないですかぁ。」
「どこがだよ!。斎藤一正、余計なこと話さんで下さい!。」
堂上が言い捨てて 訓練速度で図書館に向かうのを、郁はクルクル追いかけて行った。
「堂上は楽しそうだなあ。」
「大型犬従えて まあ。…あいつは犬と笠原にしか崩さないっすよね。」
じゃれつく郁の頭を掻き回して動きを止める。そんな時の堂上はチラリと笑顔が覗くのだ。
堂上の笑顔の材料は意外と簡単だよな。
もう少し楽しんで見守るとするか。
愛するオモチャを話題にしながら、斎藤班は食堂へと足を向けた。

2012.12.8
16:30  |  図書戦  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑

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