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2012'12.05 (Wed)

頂き物「探し物」

拍手 コメント 有り難うございます の英香です。
昨日の夕飯はシチューでした。何か違うなあと食べようとして気付きました。ジャガイモ入れるの忘れた。
「ゴメンねー。母ちゃん まだ動揺してるみたい。」
「いや?。通常営業。」

……だそうです。

なのでこちらも通常更新に戻しましょう。さぼっちゃいましたし。

先ずは昨日記事にしました 『武蔵野広報課のひろさん』 より頂き物「探し物」をUPです。

私はキャラクターの心情表現が少ないんですよ。言葉を知らないから。ストーリーだけ追って 後は読み手の想像にお任せって放り投げちゃう。(だから短い。)
ひろさん始め 素敵な書き手さんの細かな表現は、読んでて甘さが伝わってきますよね(*^_^*)。そんなSSです。

↓こちらから どうぞ

【More】

【探し物】



「笠原さん、注意力散漫な感じだね」

「あぁ、いつもの調子じゃないな」

ハイポート訓練に取り組む郁の姿を少し離れた所から二人の上官が見つめている。

「心配?」

「阿呆、そんなんじゃないわ」





その日、郁の様子は朝からおかしかった。

始業時間ぎりぎりで出勤したのはいつもの事だが、心なしかその表情は暗く。

訓練が始まってからも常態の機敏な動きは影を潜め、精彩を欠いた様子が目立っている。

事務的な業務でそれならばいつもの事だ、で済ませていたが、訓練でのそれはさすがに気になる。

しかも午後は銃火器を使った訓練だ。

午前中いっぱい様子を見ていたが違和感は拭えず、堂上は昼休憩に入る直前郁を呼びつけた。



「お前具合悪いのか。さっきの訓練、いつもより動きが悪いように感じたが」

「えっ、そ、そうですかね。特に具合悪いとかは無いんですけど」

何でかなぁ、と話を濁そうとする郁に本当か、とおでこに手を遣り確認するが確かに熱は無いようだ。

他にも一見したところでは風邪の症状なども見られない。

とすれば思い当たる事はあと一つ。

必要に迫られ確認を繰り返すうちにすっかりわかるようになってしまったその周期を頭の中ではじき出す。

恐らく違う筈だ。

郁もこの話題に関しては躊躇することなく報告するようになっているので、申告が無いという時点でまず間違いないと思う。

しかし隠し事をしているのは明白で、それを口にしようとしない郁に堂上の眉間の皺が増える。



しまい込んだ筈の箱の鍵を壊したのはお前だろうが。

どんな小さな事でも頼って欲しいと思うが、まだそれを口にすることは出来ない。



「それならいいが無理はするな。午後はお前の苦手な訓練だからな。しっかり食って備えておけよ」

これ以上問い詰める事は上官権限を越えるからと己に言い聞かせ、仕方なく話を畳む。

「はい、ありがとうございます」

笑顔で答えた郁だったが、その後若手の利用する食堂に顔を見せる事は無かった。





射撃の訓練が始まってからも郁の様子は変わらなかった。

いつもより高い命中率を出しているのだから褒めるべきなのだろうが、それすらもおかしいと思ってしまう。

なんだ、何が原因だ。

上官としてだ、と言い訳しながらも気付いてやれない自分に中っ腹である。



「眉間の皺三割増しになってるよ」

心内が現れた表情をからかう様に小牧が隣に来た。

「五月蝿い、ほっとけ」

「あれ、邪険にしていいの?笠原さんが昼、どうして食堂来なかったか教えてあげようと思ったのに」

気になってそんな顔になってんでしょ、とまで言われてしまえば誤魔化すことは出来なかった。

「知ってるのか」

「うん、柴崎さんに聞いた。こっちでわからなければ彼女に聞くのが一番でしょ」

堂上には出来ない裏技だが小牧には何の抵抗も無いらしい。

「なんかね。探し物してるんだって、昨日からずっと」

休憩中も自席の引き出しをひっくり返し隅の隅まで調べていたから食堂に来る間が無かったんだって。

という事は昼飯を食べていないのかと心配したが、柴崎がおにぎりや何かを差し入れに行ったらしい。



理由がわかって一安心だが、挙動不審になる程大事な何かって何だ。

順当に考えれば財布・携帯・鍵の辺りだがそれなら寧ろ公言して探す協力を求めるだろう。

女が無くして言い辛いといったら男に貰った物とか…か?

いやいやそれは無いだろう。

不意に涌いた選択肢を即否定するも確証が無い事にハタと気付く。

まさかな…



この後の堂上の射撃訓練は過去最悪の結果を叩き出して終了した。





事務室に帰ると昼休憩で片付け切れなかった物たちが郁の机を占領しているのが目に入った。

堂上はこれ幸いと郁にその状態の理由を尋ねる。

相変わらずあーだのうーだのと歯切れが悪かったが、強い口調で名前を呼ばれ、郁は観念して話し出した。

「鍵を無くしました!」

「鍵?部屋のか?」

予想が外れた堂上はほっとしながら聞き返す。

「いえ、あの…大事な物がしまってあるジュエルボックスのです!」

一瞬辺りの空気が固まり…そして小牧が盛大に吹き出した。

「それ吹き出すとこですか?!無くしちゃってホントに困ってるのに!」

「ごめんごめん、でもジュエルボックスって…かぎ…どう…じょ…」

私がジュエルボックスとかって似合わないから言いたくなかったのに、等とぶつぶつ文句を言う郁が小牧の言わんとする意を理解する筈も無く。

その後ろで石のように固まったままになっている上官が怒声を上げるまで小牧の上戸に郁は増々顔を赤くするのだった。



=========


時期は蓋決壊した県展後。
焦れ焦れ感いっぱいです。
小牧さんなら さらっといけることも、堂上さんは不器用でなかなかスマートにならないんですよね。そこがまた弄り甲斐があるんですが。

ひろさん、有り難うございました!。
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